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連載コラム08 – コラボレーションに必要な環境やツール

 

 

 コラボレーションとは「異なる分野の人や団体」が「協力して制作する」ことでした。そして、前回のコラムでは、なぜ今の時代にコラボレーションが重要なのか、ということを近代史を紐解きながら考えていきました。そこには、都市や企業に人が物理的に集まることでコラボレーションしてきた人類の歴史があり、さらに、今後、新しい生活様式のもと、時間や場所が離れながらもコラボレーションをしていく未来の姿も見えてきました。そして、この時間や場所を飛び越えるためのツールがコラボレーション・ツールです。今回はその代表例のひとつである、G suite(Google のクラウド型の文書作成ソフトや表計算ソフト)を使ったコラボレーションから、現代の中小企業の経営資源について整理してみましょう。

 

第8回:コラボレーションに必要な環境やツール


G Suite とは、Google が提供する、文書作成・表計算・プレゼンテーション・クラウドサーバーなどのアプリケーションサービス群の総称です。端的に言えば、マイクロソフトのWord や Excel がクラウド化され、さらにインターネット上の書庫に書類や画像が保存されるイメージの仕組みです。これにより、インターネットに接続さえできれば、いつでも、どこでも、どんな端末からでも資料を取得することができるようになります。自宅からも、職場からも、客先からも、です。また、同時に編集することも可能です。特徴的な機能を見ていきましょう。

 

1)同時編集
例えば、このコラムの原稿も G Suite を利用して書いていますが、原稿を自宅で書き、遠隔でチェックを依頼しています。その校閲や添削は、インターネット経由で行われます。当然、校閲の間も原稿を書き進められますので、思い立った時に、相手の作業の進行状況をを気にすることなく作業が可能です。また、ひとつのファイルに、同時に何人でもアクセスできますので、会議のときの議事録なども同時編集で記録していきます。文書作成ソフトだけでなく、表計算ソフト(マイクロソフトで言うところのエクセル)も同じ様な機能をもっており、いつでも、どこでもアクセスできます。

これらの共有機能や同時編集機能は、G suite がインターネットに接続していれば使えるクラウド・ツールであることに由来していますが、クラウド・ツールであるということは、これ以外にもメリットがあります。

 

2)アクセス権制御
例えば、メールに添付したファイルを受信者を誤って送信したことや、そもそも送るファイル自体を間違えたことはないでしょうか。いわゆる誤送信というやつです。当然、そのファイルを回収することはできないので、誤送信をしてしまった以上、その過ちは取り返すことができません。営業上の重要な秘密などを誤送信してしまった場合、それによる損失や信用の失墜は避けられないでしょう。一方で、G Suite の場合は、誤送信した場合でも、それに気づいた時点で誤って送った先がアクセスできないようにしたり、そもそも相手が正しい場合にしかアクセスできないような設定が可能です。これはファイル自体を共有しているわけではなく、ファイルへのアクセス権をファイルの所有者が受信者に付与する、という仕様によって可能となる機能です。これにより、例えば打ち合わせの間の1時間だけアクセスを許可する、社内の文書でも特定の人だけがアクセスできるようにする、などの運用が簡単に設定できます。

パソコンの中に直接ファイルを保存するのではなく、インターネット上に保存をする、という方法で実現されている機能は他にもあります。

3)全文検索
例えば、特定のお客様の名前が含まれたファイルを検索したいと思うことはありませんか? パソコンの中や、社内サーバに保存したファイルは、Windows の場合、「フォルダ」の検索機能を使ってキーワード検索をすることができます。ご利用のパソコンのスペックや検索対象の文書の量にもよりますが、検索結果が集計されるまでに何分もかかったり、そもそも正しく検索ができないようなこともあります。一方で、G suite で作成したファイルは、その内容の全文の検索が一瞬で完了します。インターネット検索でGoogle やYahoo! を使った時に、世界中の17億以上あると言われているウェブサイトが、一瞬で検索できるのと同じです。ご利用のパソコンやタブレットの性能に依存することは少ないと言えます。

これらの機能はすべて、インターネット上にデータを保存して、「繋がっている」ということで実現しているものです。この「繋がっている」ということが如何に重要なことか、国家というサイズまで視野を広げて見てみましょう。

日本の政府が目標として掲げているSGDs(持続可能な開発目標)があります。このなかの重要なアクションプランとして、「Connected」 という概念があります。これは、直訳すれば繋がっていること、を指しています。繋がっていることで、コラボレーションが実現し、今の行き詰まった産業構造を超克しようとするものです(厳密には、このためには「Connected」に加えて、それを基礎とした働き方やビジネスモデルの変革によるイノベーションも必要であるとされますが、このチャプターでは「Connected」の側面だけに触れます。次チャプターで、働き方やビジネスモデルの変革については触れます。 )。国家としての目標では、業種や官民を超えてデータを「繋げる」ことを目指していますが、これもコラボレーションに他なりません。従来の、場所や時間を同期させることで、ヒト・モノ・カネを繋げて実現したコラボレーションと違い、現代ではデータを繋げることがコラボレーションの肝であり、成長戦略の基礎となっています。

 

中小企業経営に視線を変えてみましょう。ひとつの会社組織の中においても、コラボレーションの重要性は同じです。営業と経理が場所と時間を超えてコラボレーションするためには、受注伝票や見積書などのデータが、経理の発行する請求書や売掛帳に「繋がっている」必要があります。見積書が承認されて注文を受けると受注伝票が発行されます。さらに、商品が納品されて納品書が発行され、それが締日に集計されて請求書が発行されます。見積書・受注伝票・納品書・請求書に書いてある内容は、商品名、数量と単価、取引金額、消費税額など共通の項目ばかりです。違うのは、日付とその書類を発行する社内の担当者、または受け取るお客様の部署くらいです。しかし、今でも多くの会社では、商品名、数量と単価、取引金額、消費税額など共通の項目を何度も転記しています。そして、その転記作業のために、場所と時間を同期せざる得ない状況が生じ、効率は上がりません。また、それによって転記ミスが生じ、品質も上がりません。経理とは、金銭の出納とその記録作業のことを指しますので、その仕事の価値は「間違いがないこと」です。コラボレーションすることの意義は大いにあるのではないでしょうか。ここでは営業と経理の関係性を例に出しましたが、その他の業務でも同じです。

例えば、飲食店の注文のデータは、そのままお会計に繋がります。建設業の発注書は、そのまま実行予算管理や債務管理に繋がります。タイムカードのデータは、人時生産性の分析に繋がります。ありとあらゆるデータが、重要な経営資源になります。コラボレーションの真の効果です。従来の「ヒト・モノ・カネ」と言われた経営資源は、集めること、つまり時間と場所を同期することで価値を発揮しました。そこに新しい資源である「データ」が加わりました。データは集めることにも価値はありますが、「繋がる」ことでより大きな価値を発揮します。データは”新しい石油”とも呼ばれますが、石油はコラボレーションによって価値を増幅させることはありませんが、データは繋がることでその価値を指数関数的に増やしていきます。石油は中小企業には持て余す資源ですが、データは中小企業でも活用ができます。そんなデータを活用した、「データ主導の経営」こそが、場所と時間を同期させない、withコロナ時代の経営のキーワードなのかもしれません。

 

さて、今回はGoogle のクラウド型の文書作成ソフトや表計算ソフトのコラボレーションから、現代の中小企業の経営資源について考えてみました。次回は、最後の方で少し触れましたレジ、タイムカードなど、中小企業がすぐに利用できるコラボレーション・ツールを、業種や業務の単位でもう少し掘り下げてみたいと思います。

 

(次回は、(クラウドPOSレジ)コラボレーションをしてみましょう です。)

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