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連載コラム10 – デジタルタイムカードでコラボレーションをしてみましょう

 

 

 前回のPOSレジを使ったコラボレーションでは、店舗で発生する様々な取引から、安価に、高品質に、場所や時間を超えて、経営に対する情報提供を可能にし、それがお客様や社員の満足の向上に対して重要な役割を果たす、ということを見てきました。同じ様な目線でタイムカードという道具を見た場合、それは現代において、どのような情報を経営に提供をするものなのでしょうか?今回は、前回のPOSレジと異なり、飲食・小売・医療などの店舗型ビジネスの方だけでなく、従業員を雇用してビジネスを展開しているすべての方に当てはまる内容です。

 

第10回:デジタルタイムカードでコラボレーションをしてみましょう

そもそもタイムカードは何のために使うものでしょうか? 給与計算のため、労務や安全管理のため、業務管理のためなどがあります。そのすべての源泉になっているのがタイムカードです(厳密には、シフト表や会社カレンダーなどの、その前工程のものも存在しますが、ここでは割愛します)。企業や組織というものは、多かれ少なかれ人的な活動をしています。その労働にまつわる経理・会計・経営等を行うための業務の記録がタイムカードであると言えます。
タイムカードには大きく2種類あります。ひとつが、打刻機に専用紙を入れたり、ノートに書いたりする、いわゆる紙媒体のもの(以下、紙タイムカードといいます)です。もうひとつが、専用機やiPad やスマートフォンを利用してデジタルに記録するもの(以下、デジタルタイムカードと言います。)です。ここでは、まず問題認識を共有するために、紙とデジタルの勤怠管理について、どのような業務フロー上の差異があり、それが派生して、どのような効率、品質、価値の違いになっていくのか、ということを見ていきたいと思います。

まず、紙タイムカードを使った場合の業務フローは次のようになります。社員は紙に勤務の実績を記録し、管理者が毎日の打刻状況を承認します。勤怠の締日になると、管理者は紙を集めます。複数の事業所がある場合は、各事業所から取り寄せます。紙に書いてある出勤・退勤・休憩入り・休憩戻りの時刻(*時*分)を労働の時間(時の長さ)に直します(*時間*分間)。そして一ヶ月の労働時間を集計し、給与計算ソフトに各社員の労働時間を入力し、給与明細表を印刷します。大まかにいうと、勤怠打刻 > 労働時間集計 > 給与計算 > 明細票発行 という4つの工程になっており、各工程分の作業が生じます。

この紙タイムカードを使った勤怠管理の問題点を3つ上げてみましょう。
1)効率
給与計算業務をやったことがある人ならお分かりだと思いますが、毎月誰かが打刻漏れ(退勤時間を打刻し忘れるなど)をしており、本人に実際の時刻の確認をしなければなりません。10進法ではない数字(”時”は12進法または24進法、”分”は60進法)を頭の中で計算するのは非常に難しく、エクセル等で計算する場合も打ち間違いを回避しながら作業することは容易ではありません。給与計算ソフトに投入して各種控除や通勤手当等の加算をした上で、給与明細表を印刷し、封筒に詰め、渡し間違いのないように配布しなければなりません。賃金体系等にもよりますが、従業員10名くらいの規模でも数時間はかかる作業だと思います。
2)品質
給与というのは、労働の対価として支払われるものです。経営者がその労働の効率や品質を要求することと同様に、労働者も給与が正しく支払われることを要求します。しかし、実際には労働時間集計の工程で計算間違いが生じることも少なくないため、ストレスの高い仕事になっています。特に、昨今においては、民法の改正などもあり、未払(計算間違いによるものも含め)が生じた場合のリスクは大きくなる一方ですが、なかなか給与計算業務の品質が向上していない現実があります。

3)価値
打刻から給与明細表の配布までの間の工程で、お客様や社員の満足度があがることもなく、会社の利益が増えていく訳でもありません。いわば減点方式の仕事です。また、紙タイムカードの場合の多くは、労働時間を把握できる最小単位は「1日」であり、例えば、どの仕事に何分使ったのか、どのお客様に何時間使ったのか、ということは分からないままです。
極端に言えば、給与を支払うことはできますが、経営的にはそこからの学びはほとんどありません。労働分配率や人件費率等を把握することは可能ですが、得意先ごとの時間コストの把握や、変動が生じた場合の原因特定などができないため、財務的な指標としては活用できても、改善等を目的とした戦略に落とし込むのは難しいと思います。

経営者や経理の方にとっては頭の痛い問題ばかり、という感じです。これらは、集計が容易な形で打刻されていない、経営に必要な単位で打刻されていない、といった、打刻する人とそのデータを活用する人の間でコラボレーションができていないことに由来する問題です。紙タイムカードではコラボレーションができない、とまでは言いませんが、それにかかる工数を考えると、ハードルは高いと言えると思います。

では次に、デジタルタイムカードを利用した場合の業務フローを見てみましょう。どのようにコラボレーションが実現しているでしょうか。当然ながら、デジタルにしたところで一足飛びに諸々の問題が解決する訳ではありませんので、ここでは小規模企業が実装可能なレベルでのイメージを記載します。

デジタルタイムカードの場合、社員はiPad やスマートフォン上にあるアプリで打刻し、打刻漏れや異常値(終業時刻が22時を超える場合など)が発生した場合には管理者に通知が行きます。勤怠の締日になると、管理者はアプリ上の集計ボタンを押します。アプリが自動的に労働時間を集計し、給与計算ソフトに連携して給与明細表(経費精算等の加算・控除等がある場合は、部分的に手作業)が発行され、メール等で社員に自動的に通知されます。工程自体は、勤怠打刻 > 労働時間集計 > 給与計算 > 明細表発行 という4つの工程になっており、紙タイムカードの場合と同じですが、作業は集計ボタンを押しているだけで、作業らしい作業はありません。

この作業フローの差異は、先程の3つの問題点(効率・品質・価値)において、どのような違いを生むでしょうか。

1)効率
当然ながら作業自体がありませんから、効率は小規模企業にとってできるレベルでは最大化されています。さらなる効率を目指すと、そもそも社員に打刻自体をさせない(自動で打刻する)、ということも可能ですが、小規模企業にとっては投資対効果が合わないケースが多いでしょう。

2)品質
手入力や手計算という工程が排除されているため、基本的に”ノーミス”という品質です。社員の目線になってみると、”ノーミス”という品質が如何に安心できるものか、イメージできると思います。
※ 自動で集計ができない勤怠実績(就業規則等で想定されていないもの)がある場合には、手計算が生じます。そこは丁寧に人間が対応します。

3)価値
デジタルのタイムカードは、儲けに貢献することができます。そもそも儲けを出すための方法は基本的に3つしかありません。収益を増やすこと、費用を減らすこと、資産の価値を高めること、です。このうち、収益を増やすことについてはPOSレジなどの販売管理の領域の持ち分で、資産の価値を高めることは投資の領域です。残った“費用を減らすこと”にデジタルのタイムカードは貢献します。
費用の内の人件費が占める割合は、多くの業種業態において些末なコストではありません。みなさんも、どうやって人件費を減らすか、ということを考えたことがあると思います。この人件費削減を行う際に最も大切なことは、「そもそも、どんな仕事に、どれくらいの人件費が使われているのか?」という現状の把握です。人件費削減は、社員や顧客の満足を下げずに行うことが大前提で、闇雲に下げることを考ると、社員の信頼を失ったり、顧客に対するサービスの品質が低下し、事業は継続の危機に直面するかもしれません。
デジタルのタイムカードであれば、例えば飲食・小売・医療などの店舗ビジネスの場合には、時間帯ごとに把握できますし、製造業や建設業であれば案件や注文ごとに把握することができます。もちろん紙のタイムカードでもできないことはありませんが、その集計には膨大な時間がかかります。これらのデータにより、効率が悪い時間と良い時間を把握し、その分析や対応を行うことが可能になってきます。

デジタルのタイムカードには、0円から導入できるものもあります。細かな分析をできるレベルのものでも社員1名あたり、月に1,000円程度です(例外的な手計算が多い場合は、社会保険労務士事務所や会計事務所に外注してしまうのもありですが、その場合でも月に1,500円程度です)。
紙タイムカードからの移行を検討されている場合は、現状の打刻管理、労働時間集計、給与計算、明細票の発行などの業務にどの程度の時間がかかっているか、から検討いただくと良いと思います。それ自体が多大なコストであることに気づかれるかもしれません。
また、リモートワーク等を実施しようとする場合にも、インターネット環境があれば、離れた場所からでも打刻できるデジタルのタイムカードは必須です。これを機に、ぜひご検討されてはいかがでしょうか。(ミッドランド税理士法人グループでも導入支援を行っています)

今回のコラムでは、これらのデジタルなタイムカードの導入についてかなりざっくりと触れました。あくまで概要レベルのものですが、同じタイムカードというものでも、紙なのか、デジタルなのか、ということで大きく異ることをご理解頂けたでしょうか? 前回のPOSレジと従来型のレジスターの比較もそうですが、機械としての機能の違い以上に、社員やお客様に与える影響の差の大きさを感じていただけたら幸いです。

次回は、更に一歩先のコラボレーションのイメージとして、企業や組織の基幹業務全般をクラウド化させる、グループウェアという領域のサービスについて触れながら、組織の抜本的な効率改善について考えたいと思います。

 

※デジタルタイムカードの導入等にご興味がある場合は、当社までご連絡ください。

 

(次回は、(グループウェア)コラボレーションをしてみましょう です。)

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