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連載コラム20 – リモートワーク実装の解決策(モノに関する ツール・カルチャー編)

with コロナ・after コロナの企業経営とテクノロジー(20)

 

前回のコラムで、リモートワーク実践時に考慮すべき、ヒトに関するツールと、それを活用し生き生きと働くためのカルチャー(文化)について考えてきました。今回はモノ(商品やサービス)に関するツールとカルチャーについて言及したいと思います。

第20回:リモートワーク実装の解決策(モノに関する ツール・カルチャー編)

まず、言葉の定義です。ここでいうモノとは、必ずしも企業や組織が顧客に提供する最終的な生産物(商品やサービス)としてのモノではなく、その最終的な生産物が生産されるまでの工程において、後工程に引き渡すモノ全般を指します。つまり、飲食店で言えば、ホールスタッフはキッチンスタッフにお客様の「注文内容」を引き渡していますし、営業担当者は経理担当者に「請求書」や「証憑書類」を引き渡していると考えます。また、基本的に、リモートワーク等の実践により、モノの品質自体を変更することは少なく、実際にはそのモノを同一の品質で提供するために必要な工程や仕事を変更することになります。よって、ここではモノを作るための工程や仕事に焦点を当てて進めていきます。

 

工程や仕事の中には、リモートワークに対応できるものと、できないものがあります。対応できないものとは、特定の設備、機械、土地、建物などの有形固定資産を利用することが、モノを生産する上で必須となる工程や仕事です。機械部品のプレス加工や、建築の現場作業などがこれに該当します。

 

リモートワークに対応できる仕事や工程についても、ツールとカルチャーの2面から考えた時に、容易なものと難度の高いものに別れます。

 

まず、ツール面でのリモートワーク実装は容易であるものの、カルチャー面では十分な検討が必要なケースについて考えてみます。例えば、元々その業務の殆どがデジタル化されている仕事や工程として、ウェブサービスのエンジニアやデザイナー、ライターなどが挙げられます。これらは、パソコンや一定のクラウドサービスだけあれば、工程や仕事に従事することができます。

 

しかし、これらの工程や仕事は、ユーザーや読者などを含む後工程にいるお客様(企業や組織にとっての消費者のみでなく、後工程にいる人全体のことをお客様と称しています)が、どういうことで困っていて、どういうことに喜びを感じるのか、などの情報なしには成立しません。

 

そう考えると、例えば1週や1月などの比較的短い期間に限定した場合には、リモートワークによる品質の低下などは起きにくいと思いますが、長期化した場合には、お客様目線での情報が不足することによって、品質の低下を招く恐れがあります。

 

そのため、ツール面では比較的容易にリモートワークが実装できても、「どうやってお客様目線の情報を継続的に入手するか」というカルチャーについての検討は必要です。要は、対面型でビジネスを行っていた場合には、意図せずとも得られていたような情報も存在しており、リモートワークが必ずしも対面型勤務の上位互換になる訳ではないということです。

 

 

 

次に、ツール面とカルチャー面のどちらにおいても、リモートワーク実装の難度が高いケースについて考えてみます。例えば、飲食店のホールスタッフ、アパレルの販売スタッフなどがあります。飲食・小売という、いわゆるBtoC ビジネスの対面業務に従事する仕事です。これらの工程のリモートワーク化をするには、どうしたらいいのでしょうか? ※前提として、テイクアウトやデリバリー、ネット通販等を実施するためのマーケティングや商品についてのルールの検討は済んでいるものとします。

 

これには大きく2つの方法があると思います。
ひとつには、金融機関がやっているリモート窓口のように遠隔で接客サービスを提供したり、大手回転寿司チェーンのようにタッチパネルと商品配送レーンを使ったりして、そもそも対面型業務を無くしていくような方法があります。しかし、この方法は、まだ初期投資の金額が大きく、中小企業にはハードルが高く感じられます。

 

もうひとつの方法は、基本的な店舗での対面型の業態は維持しつつ、非対面の業態に拡張してく方法があります。この場合においても、ツールとカルチャーの2面からの同時検討が必要になります。例えば、飲食店がテイクアウトを始める場合、電話やネットで注文を受けることもあります。デリバリーをする場合は、UberEatsや出前館などの配達サービス、または配達スタッフと車輌等の導入が必要です。アパレルのネット通販をする場合は、「試着」という対面型販売にあった機能を補うため、Amazon がやっているような返品を前提とした販売方法に変更にすることなどが必要です。これらの多くは業務プロセス自体の変革を伴うため、スタッフの採用や教育などの人材戦略自体の見直しが必要ですし、人事評価の方法も変わるなど、カルチャーに関する検討が必要です。また、販売用のウェブサイトや販売管理や商品管理システムなどのツールも必須でしょう。(当然ながら財務モデルも大幅に変わりますので、商品やサービスの値付け自体も変わります。ここはルールとしての検討範囲です。)

 

 

多くの場合で、ツールはいくつかのパターンの中から選択することが可能ですが、カルチャーについては独自のものを考えなければなりません。しかし、「リモートワークだ! ツールを決めた! 後は現場でよろしくね!」という丸投げが多発しており、コロナ禍の失敗事例として積み重なっているようです。

 

経営者にとっては頭の痛い問題だとは思いますが、リモートワークの実装においては、ツールでの解決だけでなく、組織や業務プロセスの変革、そして文化や風土自体も変えるものであると考え、現場やIT担当部門と三つ巴で、腹を括って挑戦いただく必要があります。

 

実は、これはリモートワーク導入に限った話ではなく、with コロナ時代の経営における最重要課題の一つになるであろう話だと思います。AI(人工知能)やRPA(ソフトウェア操作の自動化)などのツールに関する用語を耳にする機会は沢山あると思いますが、それらのツールだけでなく、カルチャーの検討まで行わなければ、この激しい変化の中を生き残り、お客様や社会が求めるモノを継続して提供することはできないでしょう。この機会にぜひともご検討いただければ幸いです。

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