連載コラム02 – なぜ今ウェブ会議が注目されているのでしょうか? « ミッドランド税理士法人(豊田)

連載コラム02 – なぜ今ウェブ会議が注目されているのでしょうか?

 前回のコラムでは、そもそもウェブ会議とはどのようなサービスなのか、電話(音声通話)や、FaceTime(フェイスタイム)やLINEのビデオ通話との違いから考察してみました。

前回のコラムはこちらからどうぞ

 

ちょうど前回のコラムを公開した直後に、zoom の1日あたりのアクセスユーザー数が、わずか10日間で1億人増加し、合計3億人を突破したという報道が流れてきました。今回は、そんなウェブ会議がなぜ今注目されているのか、その点について考えていきたいと思います。

 

第2回:なぜ今ウェブ会議が注目されているのでしょうか?

今般の新型コロナウィルスの感染防止のため、密室・密着・密接という、3つの”密”を避けましょう、と言われています。これらを回避するために、物理的な接触をしなくても事業やプロジェクトを推進することができるウェブ会議が注目されるようになったこと、これは理解ができます。with コロナ(新型コロナウィルスの感染が拡大している時期)においては有効でしょう。

では、after コロナ(今般の事態が解消した後の時代)になれば、私達のコミュニケーションは、従来の対面型のものに戻っていくのでしょうか?一部では、そのような回帰はあると思います。しかし、全体的にみれば、二度と回帰しない部分もあり、その回帰しない部分の方が大きいように思います。

例えば、日本全国の年賀状の郵送枚数は、ピークの2003年から、すでに半分くらいまで減少しているようです。一方で、身近な親族や友人を中心に、LINEやメールで年賀の挨拶を交わすことは増えているのではないでしょうか。年賀状を”文化”として考えれば、寂しい、もったいない、など、いろいろな意見はあると思いますが、”年始のコミュニケーション手段”として考えれば、LINEやメールで十分、と考える方が少なくないのでしょう。今後、紙の年賀状の郵送枚数が増える未来をイメージするのは難しいと思います。

私見ですが、この紙の年賀状の変遷は、コミュニケーションの効率が向上したことと大きく関係があり、コミュニケーションという行為が軽視されている訳ではないと思います。

2020年の年賀状は63円でした。相手の住所を書き、挨拶を書き、時には書き損じてため息のひとつもつくでしょう。そうして仕上げた手書きの年賀状には、その人の人柄が現れ、心の機微が伝わるのかもしれません。しかし、LINEのビデオ通話を使って顔を見せ、言葉を二言三言交わすほどには伝えられません。ましてや、最近は表も裏も印刷されただけの年賀状も、ビジネスでは目立ちます。その点ウェブ会議は、伝わるものが有るだけでなく、追加料金もかからないため、多くの場合は、時間コスト・金銭コスト・実効性の面において、ビデオ通話の方が効率が良いと考えられます。

では、効率の良さを理由に、すべてがビデオ通話になっていくのでしょうか?具体的に言うと、孫の顔を見るのに、友人と語り合うのに、ビデオ通話で満足できますか?自粛続きの現状で、精神的な満足は得られるでしょうか?コミュニケーションの効率が上がっても、インターネット上ではなく、現実世界で濃厚に過ごしたい時間はあると思います。その濃厚に過ごしたい時間に、空き時間をより多く寄せていくためには、できるだけ効率化したいと考えます。

設題に立ち戻って考えてみましょう。なぜ今ウェブ会議が注目されているのでしょうか?十分な画質と音質、資料が見れる、移動時間がない、コストも安い(無料のサービスも沢山あります)。一方で、技術が進んでも、決してウェブ会議では済ませられないコミュニケーションもあります。そうであれば、効率化すべきものと、効率を度外視して濃厚にすべきコミュニケーションとの濃淡をはっきりさせていくことは、合理的なのではないでしょうか。そして、今般の感染症拡大防止の中で、ウェブ会議を積極導入していくことは、感染予防の観点もさることながら、企業にとっても個人にとっても、時間やお金という資源の有効活用であり、それは一度経験したら以前のコミュニケーションに回帰できないくらいの価値をもっているのかもしれません。

ただ、ここのところ物騒なニュースも耳にします。現在最も普及しているウェブ会議システムである Zoom (ズーム)というサービスのセキュリティに脆弱性が見つかるなど、ウェブ会議に移行し始めた私達にとっては無視できないものです。特に事業や財産に関する重要な会議を、ウェブ会議を使って実施することは問題がないのでしょうか?

 

 

(次回テーマ:ウェブ会議の安全性は、ビジネスに耐えうるものなのか?

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