連載コラム06 – Zoom で飲み会をしてみましょう « ミッドランド税理士法人(豊田)

連載コラム06 – Zoom で飲み会をしてみましょう

 前回までで、ビジネスの商談などをウェブ会議で開催できるようになったと思います。

前回のコラムはこちらからどうぞ

しかし、ウェブ会議にはビジネスの場面での利用だけでなく、その機能を活用してその他の使い方もされています。その代表例がZoom飲み会(総称としてはオンライン飲み会。Zoomでやる場合にはZoom飲み会とも呼ばれます)だと思います。
対面形式の飲み会とは、どのような差があるのでしょうか?また、どのような準備が必要なのでしょうか? 経営的な観点では、どのような効果効能を期待できるのでしょうか? それらについて考えてみましょう。

 

第6回:Zoom で飲み会をしてみましょう

まず、Zoomなどのウェブ会議のアプリや、そのための各種環境は、第4回でお話してきたとおりです。その他に、どのような準備が必要なのでしょう。

 

 

1)飲み物や食べ物

当然ですが、参加者各自で用意することになります。予め購入するか、この機会にテイクアウトやデリバリーなどの中食を試してみても良いかもしれません。緊急事態宣言下でのイートインサービスに対する自粛もあり、今まで提供していなかった飲食店でもテイクアウトサービスを始めている場合があります。また、都市部ではUber Eats などのデリバリーサービスも充実していると思います。対面の飲み会と違って、自分が好きなものを好きな量だけ食べられることや、お酒を飲まないという選択ができること、Zoom 飲み会のメリットでもあると思います。

なお、対面の飲み会の場合、会社が費用を負担することもあると思います。Zoom飲み会の場合はどうでしょうか? 多くの場合は、参加者各自が自分の好きなものを飲み食いするだけの話で、割り勘前も有りえませんが、仮に飲み物や食べ物、またはそれを購入するための費用を会社で負担する場合もあるでしょう。もし、そのZoom飲み会が社内の全員が参加可能であり、参加者全員に対して公平な費用負担を行うものであれば、その費用は福利厚生費等として税務上の損金に算入できます。基本的には、通常の福利厚生費や会議費と同じ扱いになるからです。(詳しくは担当職員にご相談ください。)

 

2)進行係

対面の飲み会と異なり、自分以外の参加者の声は、自分のPCなど一つの端末から聞こえてきます。つまり、同時に複数人が話をすると、誰が話しているのか分からなかったり、そもそもうまく聞き取れなかったりします。そのため、同時に全員で話すのではなく、ある程度は一人ずつ順番に話すことになるのですが、当然そのような会話の方法は不慣れで、うまく話し分けることができない人も少なくないでしょう。少人数の場合はさほど気にならないかもしれませんが、ある程度の人数になる場合は、それらの混乱を回避するために、幹事とは別で進行係を設けて会話のルールを作ったり、順番に話すことを前提とした話題を用意することをお勧めします。

進行例①:経済について話をする、と話題を決め、進行係が順に指名して行く
進行例②:進行係がサイコロ等で話題を順に振っていく
(TVのバラエティ番組のようなものをイメージして頂くと良いと思います)

※発言する人以外は、基本的にミュートにする、というルールの併用も有効だと思います。

 

3)チャット機能をうまく使う

Zoomにはチャット機能がついています。このチャットを利用すると、メインで話している人の話を遮ることなく、話題を進めることが可能です。例えば、ある人が話をしている時に、「このテーマについて、みなさんはどう考えていますか? 」など、全体に対して発言することができます。また、「去年の旅行の話を、ここで暴露しても良い(笑)? 」など、特定の個人に対して発言することもできます。その他、環境音が目立つ人がいる場合など、進行係がその人だけに注意を促すようなことも可能です。

 

4)思いやりをもつ

自動車の運転をしている時に、ついつい乱暴な口調や行動になる人がいます。これは、車内の閉鎖的な空間にいることで、普段よりも内面的な部分が表に出やすくなってしまう現象のようです。自宅から参加するZoom 飲み会の場合も同様に、安心していつもより発言が過激になってしまう人がいます。お互いに思いやりをもって参加しましょう。また、進行係は、内容が行き過ぎないように会話の調整をすると良いと思います。

 

さて、Zoom飲み会のコツ(?)として主だった点を書いてみました。対面での飲み会とは結構違うな、と思った方も多いかと思います。しかし、お酒を飲み、リラックスした雰囲気の中で、職場ではできないような話をする、という点で言えば、実は大差ないのかもしれません。それどころか、同じ場所に居合わせなくても良い、という効果を活用することで、今までになかったような飲み会を企画することができるかもしれません。例えば、職場から自宅が遠い方、アレルギー等で食べられないものがある方、育児や介護がある方など、飲み会に参加することが難しかった人も参加できるようになるかもしれません。職場では関係性向上を目的として飲み会をすることが多いと思いますので、その意味では対面の飲み会以上の効果が期待できる面もあり、経営的にも重要な取り組みになってくるかもしれません。

また、このようなオンライン(バーチャルの社会)とオフライン(現実の社会)が融合するような経験は、今後ますます増えていくと思います。まだまだ表舞台に登場したばかりの技術や文化であり、みなそれぞれに不慣れな部分などあると思います。しかし、ありがたいことに、今なら社会全体が不慣れです。私たちだけが初心者という状況ではありません。今の時期の失敗なら笑って済むでしょう。しかし、afterコロナの時代になり、ウェブ会議が社会全体に定着した後では、そう寛容には済ましてもらえないかもしれません。せっかくの機会ですので、臆することなく、まずは一歩踏み出してみてはいかがでしょうか。

 

 

(次回からは、コラボレーション・ツールについて整理していきます。)

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