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連載コラム07 – コラボレーションとは?

 

このコラムは「with コロナ・after コロナの企業経営とテクノロジー」というテーマでお届けしており、前回のシリーズでは新しいコミュニケーション手段として急遽ビジネスの場に登場したウェブ会議について理解を進めてきました。

第1回:ウェブ会議とは何か?

第2回:なぜ今ウェブ会議が注目されているのでしょうか?

第3回:ウェブ会議の安全性は、ビジネスに耐えうるものなのか?

第4回:ウェブ会議に必要な環境や機器はどのようなものか?

第5回:Zoomでウェブ会議をしてみましょう

第6回:Zoom で飲み会をしてみましょう

今回のシリーズでは、「コラボレーション」を実現させるためのツールについて考えていきたいと思います。具体的には、Google Drive や Dropbox といったグループウェア・ストレージと、Google スプレッドシートやマイクロソフト オフィスなどの共有機能の活用について考察し、さらに働き方として「コラボレーションをする」ということ自体の方法論や組織の設計についても言及していきたいと思います。

 

第7回:コラボレーションとは?

コラボレーションとは、そもそもどのような意味なのでしょうか。辞書ではこのように記載されています。

 

コラボレーションとは(出典:小学館 デジタル大辞泉)

[名](スル)異なる分野の人や団体が協力して制作すること。また、制作したものをもいう。共同制作。共同事業。共同研究。協業。合作。コラボレート。コラボ。「部門を越えてコラボレーションすることで新しい発想の商品を生み出す」

 

 主語は「異なる分野の人や団体」、それが「協力して制作する」ことがコラボレーションということのようです。会社組織でいえば、取引先や地域の方など、社外の人がイメージしやすいかもしれません。しかし、実はそれだけにとどまりません。たとえば役員、正社員、パート社員という雇用関係、単身者や子育てや介護をしている方という同居家族の構成、男性・女性という性差でさえも異なる属性であると捉えられます。いうまでもなく、私達は個々に異なる人であり、それぞれの分野を持っています。しかし、わが国の近代史においては、必ずしもその「個々に異なる」ことが尊重されてきた訳ではありません。

 

 ベビーブームによる人口増加を背景に、住宅・自動車・家電製品という重長物が売れる時代に入り、商品を均質的に作ることが戦後の勝ちパターンでした。職場も学校も個性よりも均質性を優先した人材育成を実施し、その賜物として高度経済成長を実現してきました。この時代の成長は現在のわが国の繁栄の基礎であり、様々な意見はあるものの、その時代の方針としては正しかったと言えるのではないでしょうか。しかし、個人所得が拡大し、乳幼児死亡率が著しく低下した結果、子供を作らない社会になり、1990年代から少子化が始まりました。つまり、人口の減少期(人口オーナス期)であり、モノが売れなくなる時代であり、今までの勝ちパターンが通用しない時代に突入したのです。本来はこの時点で少子化、そしてその後到来するであろう高齢化社会に向けた産業構造の転換が必要だったと思われます。

 

 ちょうど同時期にインターネットが普及し始めました。これにより、まず北米や欧州に、次いで中国を中心に情報化社会に突入し、著しい生産性の向上が図られました。しかし、日本はこれに乗り遅れ、情報化社会の恩恵にあまり多く預かれなかったようです。結果として、他の先進国と比較して労働生産性が低い社会(*1)になってしまいました。そして、そのまま現代に、つまり統合社会(Society 5.0 (*2))に突入しようとしているのです。

 *1 日本の時間当たり労働生産性は46.8ドルで、OECD加盟36カ国中21位

 *2 Society 5.0 については内閣府のウェブサイトで詳しく解説されています。https://www8.cao.go.jp/cstp/society5_0/

 

 この統合社会においては、技術の進歩により仮想世界と現実世界の境界線がぼんやりと曖昧になり統合されていく、と言われています。前回のシリーズで取り上げたウェブ会議もその一例ですが、仮想的なウェブ上の会議室があり、手元の現実には自分の資料やPCがある、そういう統合現象が起きています。また、ワーク・ライフ・バランスという言葉に現されるよううに、従来はまるで対称的なもののように扱われていた「ワーク(働くこと)」と「ライフ(暮すこと)」も、今般のテレワークという働き方の拡大により、統合され、働く場所と住む場所の境界線は曖昧になってきました。例えば、朝 子供を送り届けてから出社し、夕方に一度退社し、夕食の後に在宅で残りの仕事をするような働き方は、今後も確実に増えていくと思います。その延長線上として、基本的に在宅勤務をし、月に数日だけ必要に応じて出社するような働き方も一般的になってくるかもしれません。また、従来「ワーク(働くこと)」には「生産」的な意味合いが、「ライフ(暮すこと)」には消費的な意味合いが濃かったのですが、在宅勤務により「ライフ(暮すこと)」にも「生産」の意味合いが出はじめ、同時に「ワーク(働くこと)」には、仲間と顔を合わせて会う、活発な時間を過ごす、などの「消費」的な意味合いも出始め、境界線は更に曖昧になっていきます。

 

 このように違いが曖昧になっていくものがある一方で、その違いが明確になるものもあります。個々人の働き方や暮らし方です。インターネット環境や、PCやスマホの端末さえあれば、いつでもどこでも働くことが可能になったため、今後もその多様性は増加することが予想されます。毎日4時間だけ働く人、子育や介護の合間合間に断続的に働く人、都市部の会社に雇用されていても地方部に居住するする人などです。毎日会社で8時間働く人ばかりの社会と比べ、多様性に富んでいます。このような多様性が出てくると、労働時間の対価として給与を受け取る人だけでなく、成果の対価として給与を受け取る人も増えてくるでしょう。働き方が多様になれば、今の時点では想像がつかないような、さらなる多様性が生まれてくるかもしれません。私達は産業構造の変換に伴い、本来の多様性を取り戻し、さらにそれを拡張させるような時代に入っているのです。今般の新型コロナウイルス感染症がもたらした生物学的な危機は、遠くない未来で解消されるのでしょうが(そう強く祈ります)、それがもたらした社会の変革は、二度と回帰することはないでしょう。現代において、馬車で移動する人はおらず、ガスランプの灯りで暮す人もいないのと同じです。

 

 さて、今起きている、そして今後起こりうる社会事象については整理ができました。しかし、実際に私達は、企業や組織は、どうなっていくのでしょうか。それだけ多様な人を抱えて、企業や組織はその体を維持していけるのでしょうか。例えば、今般のテレワークの拡大の中でも、紙の書類にハンコを押すために電車で通勤する、というようなことが起きていたようです。また、上司への報告のために出社する、ということもあったようです。仕方がないと思う側面がある一方で、多様性が拡張される時代に、そのような会社が十分な人財を確保できるのか、一抹の不安が残ります。言い換えれば、そのような会社で働きたいと思う人の、量と質はどう変化していくのか。残念ながら、多くの人に支持される会社ではあり得ないだろうと思います。そして、そのような人財に乏しい会社を事業の重要なパートナーとして選ぶ会社の量と質についても、同じようなことが言えるのではないでしょうか。

 

 ここでコラボレーションの重要性がでてきます。「異なる分野の人や団体が協力して制作する」ことがコラボレーションです。私達は互いの違いを受け入れ、それをコストにするのではなく、強みとして、価値・効率・品質を高め、より良い社会を作っていく必要があります。つまり、それぞれに異なる私達は、その属性の違いや距離的な問題を超えて繋がり、協業する必要があるのです。そのための具体的なツールが、コラボレーション・ツールと呼ばれるものです。離れた場所から同じ文書を同時に編集したり、エクセルファイルや会計データをインターネット上に保存をして、いつでもどこからでもアクセスできるようにしたり、顧客管理のシステムを変化に応じてエンジニアではない人がアップデートしたりする仕組みです。多様な働き方を支えるための必須ツールです。

 

 コラボレーションのためのツールには様々なものがありますので、次回以降で具体的なサービスについて、そのサービスの特徴や、どのようなコラボレーションを達成できるのか、などについて整理していきたいと思います。

 

 

(次回は、コラボレーションに必要な環境やツール です。)

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